ソラ議会

SORA
Apr 2, 2021

TL;DR

  • マルチボディ·ソート(ランダムに選出されたメンバーで構成される、複数の議決機関)により、共謀や検閲に強いガバナンス運営を実現します。
  • トークン投票を使用する他の多くのブロックチェーンネットワークやコミュニティモデルとは異なり、ソラ議会は、マルチボディ·ソートにより、ソラブロックチェーンネットワークの非中央集権&分散化運営とソラの資金使途を決定します。
  • ソラ議会では、単一の議決機関やメンバーが何かを一方的/強権的に決定することはできません。明確な権力分散志向の制度設計により、ソラ議会の決定に際して慎重な検討が可能となり、自己選択バイアスによる誤った意思決定を回避することができます。

Ordo Ab Chao・混沌からの秩序

何千年もの間、人間の社会には多くの統治の形態が存在しました。古代アテネでは、民主主義が200年間にわたって進化し、継続的に改善され発展しました。しかし、現代の民主主義システムは、古代アテネ時代の民主主義の成功原則の多くを忘却しています。残念ながら多くの場合、民主主義の投票とは、攻撃の武器と化したソーシャルメディアやニュースソースのコントロールを利用した、簡単に操作できる人気投票に退化しています。世界中の国々の市民が、自国の政府への不満を年々増しているという否定できない傾向を考えると、より良い統治やシステムのあり方を模索する小さな試みには、大きな価値があると私たちは考えています。

多くのブロックチェーンコミュニティでは、トークンによる投票や議決権付トークンを使ったガバナンスが行われています。しかし、投票権を増すためにトークンを購入することは、一握りの大資本家による金権的腐敗政治への道を暗示しており、公平なガバナンスであるとは一般的には考えられていません。また、多くのプロジェクトではこのガバナンス形態が悪用された実績もあります。そこでソラ議会では、単純なトークンによる投票は行わず、代わりに、権限の分離が明確な複数の議決機関を持ち、その構成メンバーはランダムに選出される議決システム、「マルチボディ・ソート」を採用することにしました。

マルチボディ・ソートによる統治

民主主義の形態は単一ではなく、多くのバリエーションがあります。古代アテネでは、民主主義は時代とともに進化していきましたが、その骨子は3つの原則に基づいていました。

  • Isonomia: 全ての市民が、政治的平等を持っているという原則
  • Isegoria: 全ての市民には、発言権と貢献権があるという原則
  • Sortition: 全ての市民からグループを無作為に選出し、意思決定を行う原則

プラトンは古代アテネの民主主義に否定的でした。実際に、ソクラテスの処刑ペリクレスの罰金、そしてアリストテスの追放のような、古代アテネでの民主主義の欠点についての有名な事例があります。富裕層や際立った能力を持つ者を打ち倒そうとするデマゴーグによって、古代アテネの民主主義は頻繁に歪められてきました。

しかし、古代アテネの民主主義にも、参考とすべき長所がありました。それは、多様な人々が社会の意思決定プロセスに参加することを可能にし、これが後世にローマの元老院の基礎を形作りました。一般的に古代アテネは「直接民主主義」と表現されますが、それは市民の20%が参画する議会制度を意味しています。しかし、最も重要な決定は、議会ではなく、無作為に選ばれた市民の団体によって行われていました。ランダムに選出された500人の市民により構成される評議会が議会の議題を設定し、ランダムに選出された市民による立法委員会が法律を採択し、ランダムに選出された市民裁判所が議会の決定を覆すことが可能でした。

私たちは、アメリカの政治学者でありバーモント州議会議員を務めたテリー・ブリシウス氏に、ソラ議会の制度設計について意見を求めました。ブリシウス氏からは、ソラ議会の設計についていくつかの参考となるフィードバックを受けました。特に古代アテネの民主主義の原則を、現代の政治システムに取り入れることについて、大きな影響を受けました。彼の論文とフィードバックを基に、私たちはソラ議会を、提案/意思決定/ルール作りの役割をそれぞれ明確に分離した、複数の議決機関から構成される議会としてデザインしました。このシステムには大統領や首相は存在しません。システムのルールそのものがリーダーとなり、参加者全員が対等な仲間として協力し、提案の作成や決議を行うことになります。

ソラ議会は、複数の機関で構成されることを提案されています。

ソラ議会を構成する複数機関の設計について、現在時点では下記が提案されています。

  • **ルール評議会:**アジェンダ審議会に、どのようなプロセスでどのようなアジェンダを付議することできるかのルールを評議し提案します。また、統治システムに必要な他のルールも評議し提案します。ルール評議会が担うのはあくまで評議と提案であり、提案されたルールが発効するためには、政策審査評議会の承認が必要です。
  • **アジェンダ評議会:**アジェンダの提案があった際にまずは、それがルール評議会によって設定された範囲内かどうかを形式審議します。形式審議の後に、さらなる検討を行うためにアジェンダを受理するかどうかを投票によって決定します。
  • **利害関係者パネル:**アジェンダ評議会での投票によって受理された各アジェンダに対して、1人または複数の利害関係者がパネルを形成し、アジェンダを検討することができます。複数の利害関係者がいる場合は、関与することを希望するその全員がパネルを結成し、全員がアジェンダを調査し報告書を作成することができます。
  • **レビューパネル:**利害関係者パネルからの報告書をまとめ、政策審査評議会に提出する提案書を作成します。提案書には、中立的な立場で提案の長所と短所を明確に記載することが求められます。
  • **政策審査評議会:**各アジェンダは、政策審査評議会と呼ばれる、無作為に選ばれたメンバーで構成される評議会によって議決されます。すべてのルール変更、提案、市民権の取消、および他の処罰は、政策審査評議会によってのみ決定することができます。
  • **金融政策評議会:**金融政策の変数を設定·変更するなどの、新たな提案を行うことができます。
  • **金融市場当局:**金融政策評議会の信任によって、金融市場の規律と調整を担当する規制当局です。また、PolkaswapのDEXにガバナンス機能を提供する役割を持ちます。
  • **公正評議会:**ソラ議会のすべての参加者の行動を検証し、ルール違反を発見する役割を持ちます。ルール違反を発見し、ある参加者の処罰が必要な場合は、最終決定のために政策審査評議会に処罰を提案します。

我々が目指した制度設計は、ソラ議会への参加者は原則として一度に1つの議決機関にしか関与できず、そのメンバーはランダムに選出されるため、派閥による利益誘導や癒着を排除することを重点的な目的としています。

AnonsによるAnonsのための統治

ブロックチェーンコミュニティは、その性質上、擬似的な匿名性を持っています。そのため、アカウントIDのような伝統的なアイデンティティの概念では、ソラ議会に対するシビル攻撃を防ぐことができず、別の防御策を持つ必要があります。Proof-of-Stakeシステムと同様の構想により、ソラ議会の構成メンバーとしての市民権獲得には、XORのデポジットの預託が必要となります。詳細はまだ決定されていませんが、現在の構想では約150 XORが、市民権獲得のためのデポジットとなる予定です。このデポジットは、その構成メンバーがルール違反により公正評議会と政策審査評議会で有罪の決定を受けた場合に、一部をソラ議会によって没収される可能性があります。

市民権を得るためのコストを意味あるものとし、意思決定機能を担うメンバーをランダムに選出することで、特定の主体がプロセス全体を実力で支配する可能性を低くすることを目的にしています。

ソラ市民権

ソラ議会の議決機関の構成メンバーは、市民権を持つ全てのメンバーからランダムかつ平等に選出され、平等な投票権を持ち、平等な参加報酬を得ることが予定されています。この議決機関の活動に時間を費やしたメンバーに正当に報いるために、生産的用途のプロジェクトに割り当てられるソラ資金の1%が、構成メンバーに分配されます。

市民権を持つ人は、ランダムな無作為選出によって、ソラ議会のうちいずれかの議決機関の構成メンバーとして選出されます。もちろん、選出された場合でも、ソラ議会の活動にコミットできない場合は拒否することができます。ただ、積極的なボランティアの出現を待つよりも、ソラの市民権を持つ全ての人に統治システムへの参加を認める方が、より有益なコミュニティとなると私たちは考えています。

ソラの市民権を持つことは、名誉であり、そして責任を伴います。約150XORの市民権獲得のためのデポジットに加えて、ソラ議会の一部の役職に就任するためには、特定資格の保有を証明する、検証可能な資格証明書が必要とされる場合があります。これにより、ソラ議会が効率的に運営され、質の高い専門的な課題解決策がコミュニティで共有されることを目的にしています。

ソラ議会の最も重要な役割は、新たに発行されたXORを生産的なプロジェクトに割り当てることです。ソラ議会がXORを配分すること、それはすなわち資金使途としての予算の配分の決定であり、力の行使に他なりません。自律分散型統治システムと、自律分散型の資本配分を組み合わせるソラ議会とは、個人の自由と権利を侵害することなく、世界をより良いものにするために機能するデジタル・ワールド・ガバメントの創造の試みなのです。

専門家の役割

ソラ議会とソラ経済圏が順調に機能しはじめると、市場経済の分析や政策シミュレーションを行い、長期的なソラ議会の政策の提案といった、各議決機関で働く専門家(官僚団)が必要とされる日がくるかもしれません。テクノクラート・エリートによる政策への高度な貢献と、民主的な市民の意思決定とのバランスを取ることは、非常に難しい課題です。歴史は、官僚制の弊害と衆愚政治の双方から、反省点を私たちに伝えています。私たちはブリシウス氏と継続的に協議しており、将来的には、人事評議会をソラ議会の中に設置する可能性があります。人事評議会は、各議決機関で働く専門家の指名・採用を政策審査評議会に提案します。専門家の指名と解任は、すべて政策審査評議会で承認されます。なお、人事評議会の構成メンバーは、通常通りのランダムな選出によりソラ市民権を持つメンバーから選出されます。

国家の枠組みを超えた統治への挑戦

ソラ(XOR・VAL)は将来的に、国家の枠組みを超えたグローバルな価値の流通、価値の貯蔵、そして価値の交換の媒体となることを目指しています。従って、ソラ議会もまた、トリフィンのジレンマを避けるためにグローバルで公正な統治が求められます。私たちの最終的な目標は、グローバルな新しい経済秩序だけでなく、これに伴う国家の枠組みを超えた統治システムを構築することです。自律分散型の民主的な統治と、自律分散型の民主的な資本配分が組み合わさることで、世界中の人々が、世界をより良くするための価値生産的な目標のもとに団結することができる未来の実現を、私たちは目標としています。

ソラ新しい経済秩序、Polkaswap、Fearlessの関係

SORA 新しい経済秩序は、自立分散型金融(DeFi)のためのツールを内蔵した、分散型中央銀行(DCB)の創設を目指した新しい経済システムです。SORAネットワークは、PolkadotKusamaネットワーク上にパラチェーンの新しい方法を実装し、外部ブロックチェーン(例えばEthereum)をPolkadotのエコシステムにブリッジする機能を備えています。ソラネットワーク上で動作するDeFiアプリケーションの1つはPolkaswapです。これは非カストディアル流動性アグリゲーター、クロスチェーンAMM DEXの機能を持ち、DEXの安全性と利便性を備えたAggregate Liquidity Technology (ALT)を通じて無尽蔵の流動性を持つPolkadotエコシステムのために独自に設計されています。

Fearless Walletは、KusamaとPolkadotネットワーク上の自立分散型の未来のために設計されたモバイルウォレットで、iOSとAndroidプラットフォームをサポートしています。驚異的なユーザー体験、高速なパフォーマンス、そしてアカウントの安全なストレージを提供します。FearlessウォレットはPolkaswapを統合し、分散型の資産スワップをユーザーフレンドリーに実現します。

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